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トピックス2014年05月09日

ヒトメタニューモウイルス感染症について

最近、高い熱が続き、かぜの割にせきがひどいなどの症状が気になる方はいませんか?
もしかしたら「ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)」かもしれません。

ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)・・・?
非常に聞き慣れないウイルスの名前ですが、実は昔から人から人へと感染し、RSウイルスと似たような気道系の病気の原因となってきました。
1歳未満~2歳くらいまでの間の乳児・幼児に感染する傾向があり、10歳までにはほとんどの人が感染すると言われています。
また、一度感染しても免疫がつかないので、何度でも感染します。

感染するとウイルスは4~6日間くらいの間潜伏し、発症すると発熱、咳、鼻水をともなう一般的な風邪症状のような状態になりますが、やがて肺の下部気気道を侵して、細気管支炎や肺炎、喘息に似た発作や、呼吸困難を引き起こすこともあります。

このウイルスは冬~春にかけて流行し、症状がRSウイルスと非常によく似ています。
数年前に確定診断のためのキットが開発され、この4月からは6歳未満で胸部レントゲン撮影をした方のみ検査が出来るようになりました。
インフルエンザでもなく、RSウイルスでもない場合には、このウイルスの可能性を疑います。

新生児や乳幼児、及び高齢者や免疫不全の方、免疫不全,または心肺障害を基礎疾患としてもっている方は、重症化する恐れがあるので注意が必要です。


【流行期間】 3月から6月に多いとされています。

【感染経路】 咳やくしゃみによる飛沫感染、手を介した接触感染によります。

【潜伏期間】 4~6日

【症状・経過】
・せき 多くの場合1週間程度つづきます。
・発熱 多くの場合4~5日間つづきます。
・鼻水 重症化すると、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難がみられます。

【診断方法】
鼻汁を鼻咽頭から綿棒でこすって取り、RT-PCR法という方法で行います。
外来で検査できるようになりました。

【治療】
特効薬はありません。咳や痰をきりやすくする薬や気管支を広げる薬などを使用します。
また、他の細菌の二次感染が見られる場合は抗生物質などを使用することもあります。
当院ではRS気管支炎のときと同じく、いくつかの裏技治療を駆使して症状の軽快をはかっております。

【予防】
乳幼児にはむずかしいですが、手洗い、うがいが大切です。
保護者の手を介してうつることもあります。
また、ウイルスの排泄期間は感染後2週間ほど続くため、しばらくの間、感染予防に努める必要があります。
こどもが集まる場所、保育園等で流行することもありますので周辺で流行の兆しがある場合はご注意ください。

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