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トピックス2016年11月14日

マイコプラズマ肺炎が過去10年で最大の流行に

マイコプラズマ肺炎が流行中です。
秋から冬にかけて増加傾向となる感染症ですが、同時期では過去10年間で最大の報告数となっています。


■子どもや若者に多い肺炎

マイコプラズマ肺炎は、一般的にみられる肺炎の中でも、特に子どもや若者に多くみられる代表的な肺炎のひとつです。
近年の報告では、全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。

マイコプラズマという病原体は、ごく一般的な病原体であるため、成人までには多くの人が感染しています。
しかし、軽症のことも多くあるため、自分がマイコプラズマに感染したことを自覚しないこともよくあります。
マイコプラズマに一度感染すると、ある程度の免疫は残りますが、その抵抗力は一生続くものではありません。
したがって、成人や高齢者であっても、マイコプラズマ肺炎を発症することがあります。
また、免疫が低下してしまうことで、何回も感染する可能性もあるのです。


■発症までに2~3週間

マイコプラズマは、感染してから発症するまでの潜伏期間が長く、約2~3週間(最大1か月程度)もあります。
たとえば、家族がインフルエンザや風邪を発症しても、せいぜい1週間くらい様子をみて発症しなければ、うつらなかったと判断する人が多いと思います。
しかし、マイコプラズマの場合には、それよりも長く経過してから発症する可能性があります。
このため、人が多く集まる保育園や学校、会社、病院などでは、施設内で流行が始まると、それが落ち着くまで何か月もかかってしまうこともあるのです。


■マイコプラズマ感染症の症状

マイコプラズマによる症状で代表的なのは「発熱」と「咳せき」です。
咳は、 乾性咳嗽かんせいがいそう と呼ばれ、 痰たん を伴いにくい傾向があります。
そして、発熱から数日遅れて出現することもあり、熱が下がっても頑固な咳が長く続くことも多くみられます。
また、体のだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛などを伴うこともあります。

マイコプラズマ肺炎という名前でもわかるように、この感染症では「肺炎」が有名ですが、実際には肺炎を起こさずに軽症で終わることも多くあります。
特に、大人よりも子どもの方が、軽症例の多い傾向があり、 咽頭いんとう 炎、気管支炎だけで終わることも多いのです。
しかし、気管支炎では 喘息ぜんそく のような症状となることもあります。
さらに、初期は軽症であっても、その後に肺炎となって重症化することがあるので注意が必要です。


■予防のための咳エチケット

マイコプラズマは、くしゃみや咳によって出る 飛沫ひまつ によって感染します。
発病する数日前から感染させる可能性がありますが、症状が出た頃から1週間くらいが特に感染しやすい時期となります。
その後は、感染力は徐々に低下していきますが、咳が続く1か月以上は人に感染させる可能性があります。

くしゃみや咳によってうつる感染症では、本人が人にうつさないように気をつけることが、最も効果の高い予防策となります。
感染している本人が気をつけることから、この予防を「咳エチケット」と呼んでいます。咳エチケットでは以下のような対応がすすめられています。

・くしゃみや咳をする人がマスクをつける。
・マスクをつけていなければ、ハンカチやティッシュで口をおおう。
・ハンカチがなければ、肘の内側でブロックする。

子どもは、手のひらで口を覆うと、汚れた手のひらをなめてしまうことがあります。
また、病原体のついた手で触れることで、環境を汚染してしまうかもしれません。
そのため、手のひらではなく、肘の内側で口を覆ってブロックするのです。


■手洗いも大切です

飛沫感染する感染症も、自分の口に触れたりして、病原体が手につくことがあります。
「感染した人の口や鼻→手→環境→他の人の手→口や鼻」……
このように、手を介して、人から人へと感染していきます。
したがって、くしゃみや咳でうつる感染症でも、「手洗い」は大切な予防策なのです。
また、日頃から口や鼻をあまり触らないようにすることも、感染を少なくする方法のひとつといえるでしょう。

「ゴホンとしたら、咳エチケット」
「たかが手洗い、されど手洗い」

これからは、インフルエンザもやってきます。それでも日常的な対応は変わりません。
まわりの人にも声をかけ、日常的な感染対策を再確認しておきましょう。

(YOMIURI ONLINE ヨミドクターより一部引用)

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